建築士と建築士事務所

まず、各建築士試験に合格し、建築士として認められた者でも、建築士事務所に所属していなければ、建築士としての業務を行って報酬を得るはできないと法で定められています。これを犯すと罰金または懲役刑となります。

建築士の業務には、耐震診断も含まれます。

今回の東日本大地震に便乗し、「建築士ですので耐震診断します」といって、報酬を得ようとする建築士もいるでしょうが、その建築士が建築士事務所に所属していなければ違法行為です。

 

また、●●建設 〇〇工務店 といった建設業者であっても、建築士事務所の登録をしているとは限りません。

 

そして、建築士事務所とは、建築士としての3年以上の実務経験の後、講習を受け、終了考査に合格して、管理建築士認定証を取得した管理建築士が常駐する事が義務づけられており、都道府県ごとの登録が必要となる為、登録をしていない都道府県での業務は行えません。要は東京で建築士事務所登録をしていても、埼玉県や神奈川県で業務を行うことはできず、業務を行う場合はその都道府県ごとに管理建築士を常駐させた事務所を設け、登録しなければ違法となりますのでご注意ください。

建築士の業務

建築士という資格制度がある事はご存知の方も多いと思いますが、建築士は何が出来るのかという事を詳しくご存知の方は意外と少ないのではないでしょうか。

一般に良く知られている業務は『家やマンションなどの設計と申請の業務』だと思いますが、その他にも建築士のみに許される業務が法律で定められております。

法律で定められた業務は以下のものです。

・建築物の設計に関する業務

・建築物の工事監理に関する業務

・建築工事の指導監督に関する業務

・建築一式工事、大工工事、建築設備の設置工事の施工の技術上の管理に関する業務

・確認審査などに関する業務

の他、これに準ずる業務として、国土交通大臣より

・建築確認時の消防長などの同意に関する実務

・建築物の耐震診断に関する実務

・大学院における設計、工事監理に関するインターシップ

と定められております。

もちろん、上記の業務で報酬を請求出来る事が許されているのも建築士だけです。

 

そして建築士法には

『建築士は常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上寄与する事。また、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない』と定められているのです。

建築士の種類

建築士とは、一級建築士・二級建築士・木造建築士・構造設計一建築士・設備設計一級建築士という5つを総称して建築士と言っています。

構造設計一級建築士と設備設計一級建築士は、一級建築士として5年以上の実務実績を積み、一定の講習を受講してそれぞれの専門分野に特化した資格です。

では、その他の建築士は、それぞれについて何が違うのでしょうか。

「二級建築士は一級のアシスタントでしょ?」と言われる事がありますが、そうではありません。

珠算や水泳、武術の級や段位の様に、その腕前に達していないから一級と認められないという事ではないのです。 

確かに各建築士の種類それぞれに受験資格を満たす必要が有り、国家試験が有り、それに合格しなければそれぞれの資格は得られないのですが、その方がしている仕事に対して必ずしも一級が必要だとは限らないのです。

 

例えば普通免許をお持ちの方が、必ずしも大型トラックを運転出来る大型免許が必要だと思っていないと思います。

自動車免許に例えるなら・・・

一級建築士は限定解除の大型免許。

二級建築士は中型免許。

木造建築士は普通免許。 

 

木造建築士は木造建築物のみを扱える資格です。

大工さんが取得する事が多いですが、大工さんは木造住宅を造る職人さんですので、鉄筋コンコリート造や鉄骨造を扱える二級や一級が無くても問題ない方が多いのです。

かといって、木造建築士でなければ、木造を扱えないという事ではありません。

自動車も大型や中型免許があれば普通乗用車を運転出来るのと同じです。

二級建築士の出来る事

前で述べた様に、一級建築士は限定解除、木造建築士は木造限定。

では、二級建築士の業務範囲はどうなっているのでしょうか。

下記の様に定められています。

1、学校・病院・劇場・映画館・公会堂・集会場・百貨店などの公共建築物は延べ面積 が500平方m未満のもの

2、木造建築物または建築の部分で高さが13mまたは軒の高さが9mを超えないもの

3、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造もしくは無筋コンクリート造の建築物または建築の部分で、延べ面積が30m²~300m²、高さが13mまたは軒の高さが9m以内のもの

4、延べ面積が100m²(木造の建築物にあっては、300m²)を超え、又は階数が3以上の建築物(ただし、第3条の2第3項に都道府県の条例により規模を別に定めることもできるとする規定がある)

 

つまり、大きなビルやマンション、デパート、学校、病院のどの設計・工事監理などは一級建築士のみに許されていますが、街並みの大部分は二級建築士の資格の範囲内という事です。

木造住宅に至っては、延べ床300坪の総3階建ても業務可能という事です。

※1回払いのみ利用可能

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